本プロジェクトについて
本プロジェクトで実現した内容
本プロジェクトでは、以下のような内容を実現した。
1. 従来の能の上演形式をよりコンパクトにした“小さな能”という形式の発案と確立。
→“小さな能”では地謡1名・シテ方1名という計2名の最小人数での謡・舞・トークの上演を実現。
従来の上演形式に比べ、上演費用や演者の移動コストが軽減、公演場所の制約を受けづらくなることによる機会の拡大へと繋がり、より多くの場・機会に対して能楽の舞台を届けることができるようになるというメリットが生まれた。
2. “小さな能”によるサロン形式のワークショップの開催。
→能の物語を軸に仕舞・謡・解説で番組を構成し、個人私有の能楽堂である静岡県富士宮市の“臥牛敷舞台”にて、
能楽師へ手の届く距離で交流しながら能楽を学び、物語に触れながら能に親しむサロン形式のワークショップを開催。
全16公演を行った。
3. “小さな能”によるサロン形式のワークショップを基にしたオンライン教材の作成とプラットフォームの構築。
→他の若手能楽師を対象に、“小さな能楽”の公演方法を伝えることを目的としたオンライン教材を作成。
開催済みワークショプを基に、実演動画(字幕付き)と詞章解説の副読本を教材としてまとめ、
教材の集積・販売を行うプラットフォームのプロトタイプを構築した。
本プロジェクトが目指すもの
本プロジェクトで実現した内容を基盤に、以下の目標の実現を目指す。
1. 従来の能の上演形式をよりコンパクトにした“小さな能”の上演〜教材化までのモデル化とプラットフォームの形成。
→“小さな能”という形式での能楽上演→サロン形式のワークショップ開催→教材化の流れをモデル化することで、他流派も含めた若手能楽師の教材をオンライン上に集積。オンライン能楽サロンという新しい仕組みをデザイン・構築することで、これまで能楽を学ぶ機会が得られなかったより多くの対象へリーチすることを目指す。
→日本のみならず世界へと開かれたオンライン上のサロン式能楽堂「オンライン若手能楽師サロン -NOH GAKU DOU- 」を作り、能楽を世界へ発信するプラットフォームの形成を目指す。
2. 一般に向けた教材販売およびカリキュラムの構築と企業を対象とした研修用カリキュラムの構築。
→一般を対象に、教材の販売およびカリキュラムの構築を行い、オンラインプラットフォームの活性化を目指す。
また国際化が叫ばれる昨今、自国の文化について学習することは企業を担う未来の幹部、リーダー育成プログラムを考える上で
必須不可欠であると考え、企業を対象とした企業研修用(リーダー育成・幹部育成を目的とした)能楽カリキュラムの構築を行い、各企業の能楽を初めとする伝統文化に対する取り組みの賦活化を目指す。
3. 利活用がうまくなされていない地域の施設でのサロン開催による地域活性化と地方創生。
→個人私有の能楽堂や、廃校、市民会館といった、地域に点在する利活用がうまくなされていない場所を利用してのサロン開催で、
地域のデッドスペースを伝統文化サロンへと昇華。地域の活性化と地方創生へと繋げる。